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交流・並川
「なーみちゃん」
「ゆーらちゃん、どうしたの?」
教室で、いつものように右から話しかけると、彼女は同じような口調で返してくれた。
「なーみちゃんは、いつも髪をきれーにまとめててすげーですね」
「そう?」
「はい。ゆらちゃんはくせが強くて、結んでもぴょんぴょんしちゃうです」
「ゆらりんのくせっ毛も、ぴょんぴょんでかわいいよ~」
もふもふと、結んだ髪を優しく触ってなみちゃんは言う。
「ゆらりんも伸ばしたら、綺麗でかわいいになっちゃうのかな。そしたらすごいよね~」
「こわいものなしになりそうです。ふむ……」
考えて、想像して、口を開いた。
「逆に、なみちゃんが髪を切ったら、きれーでかっこよくなるですね。それもすごいです」
「ほんと?どうしよっかな~」
休憩時間の間の、あまり強い意味を持たない会話。
ゆるゆるとしたこの会話が楽しくて、チャイムがなってももう少し、と思ってしまう。
「そろそろだね。またね、ゆらりん」
「はい、またです、なみちゃん」
手を振って、席に戻る。
次はどんな会話をしようか。そう思うと、授業のその次だって楽しみになってしまうのだった。
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