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交流・春夏冬
「はるなつふゆくん、です?」
歓迎会で同じくらいに食べていた人に、わたしは声をかける。
すると彼は笑って、「秋がないから、あきなし、だよ」と返してくれた。
「あきなしくん。なるほどです。ゆらちゃんはゆらちゃんって言うです」
「ゆらちゃんね。隣のクラスだった?よく声が聞こえてきた気が……」
「そうですね。ゆらちゃんはA組です」
声は、きっとよく叫んでしまうからそれだろう。そういうとあきなしくんは「叫んじゃうんだ」と笑った。
「それで、ゆらちゃんは何か用?」
「くおんくんにいっぱいお肉を持ってったら、そんなに食べないって言われたので。食べるですか?」
「え、いいの?やった!」
お肉をのせた紙皿を渡すと、彼は嬉しそうに「ありがと!」と言う。
「ゆらちゃんも、お肉を食べたい人に渡せてよかったです。ありがとです」
「ウィンウィンってやつだね。……んー!おいしい!」
美味しそうに食べる彼に笑って、「ゆらちゃんもお肉の追加取ってくるです」と手を振った。
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